新作ハンドメイドルアー『Orochi(オロチ)』その2 |
まず下の写真のエラの部分に注目してください。魚のエラぶたに沿って三日月状に赤くカラーリングをした部分の製作方法を解説いたしましょう。
ハンドメイドルアーの場合、この部分のディテールは作者によって入れたり、入れなかったりとさまざまですが、OPAのルアーにはすべてエラぶたに沿って赤いラインが入れてあります。実はこの赤いラインを入れる作業は方法を知らないとかなり難しく、ルアービルダーの技量が確実に測れる部分でもあるのです。特にエアーブラシを使ったマスキングで赤いラインを引こうとすると、ルアーの曲面に沿ってしかもエラぶたの縁を引くという作業がありマスキングの製作にかなりの困難をしいられるのです。この技術的な問題を解決できず、この部分を省略してルアー製作を行なっているビルダーがほとんどだということも事実だと思います。あるいはここまでこだわる事はないということかも知れませんが・・・
ここでは今回『Orochi(オロチ)』に使用している手間のかかる『エアーブラシを使う方法』を解説します。
①マスキングゾル(クレオス模型のものでいいと思います)をルアーの上に塗る。
②マスキングゾルが乾いたら、エラぶたの縁に沿ってデザインカッター等でラインの太さでカット。
③カットしたラインをピンセット等で剥がす。
④エアーブラシで赤色をライン上に吹き付ける。
⑤ルアー全体のマスキングゾルを剥がして完了。
という5つの工程が余分にかかりますので「めんどくさい」と思われる人には向かない方法です。
次に胸鰭(むなびれ)を見てください。
上の写真ではヒレは薄いオレンジ色をエアーブラシで吹いた状態ですが
下の写真ではヒレの中に支脈が何本か入っているのが見えると思います。
この支脈を引くには特殊な道具が必要となります。
下の写真がOPAで使用している道具の一部です。
上からNikonのハンドルーペ
ZEISS(ツァイス)3× 6× 9×倍率ルーペ
ESCHENBACH(エッシェンバッハ)時計用ルーペー
STAEDTLER(ステッドラー)0.2mm marsmatic
Nikonのハンドルーペ以外は全てドイツ製です。
ドイツ製の光学機器は画像解像度がすばらしく特にZEISS(ツァイス)3× 6× 9×倍率ルーペは視野がクリアーでルアー製作に多用しています。
ここで支脈を引くためには製図用の「STAEDTLER(ステッドラー)0.2mm marsmatic」を使っています。
STAEDTLER(ステッドラー)0.2mmのペン先はルアー表面を傷つけないのでとても重宝しています。
もちろんラインを引く際はインクなしの状態で使ってください。
以上とても大雑把な解説ですがあとはご自分にあったオリジナルな方法を見つけていかれるといいと思います。
この次は各カラーのご紹介です。
OPAハンドメイドクラフト(←このルアーに興味のある方)